ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2018.3.7 00:23日々の出来事

夏目漱石の「こころ」


読者カードにこのような感想があった。

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『新・堕落論』兎に角「第15章 夏目漱石の『こころ』が

圧巻。

白状しまして『こころ』は未だ読んだ事がありませんでした。

しかし小林先生の手になる鮮やかな、かつてない古典の

「漫画化」は、この章だけで購入の元が取れる、価値がある

と思います。

明治大正期を生き、近代化していく日本を慨嘆する漱石の

心情を読み解く事で、日本人の堕落は明治時代に「胚胎」

していたという考察は納得せざるを得ません。

明治期にまであった日本人の「倫理観=死生観」は果たして

危険で無価値なものでしょうか?

いや、大東亜戦争の末期に蘇った「特攻精神」この時に

「民族として激烈な意気地ある態度」を欧米人に見せつけた

祖先達のお蔭で、今の自分たちは生まれる事が出来たと認識

しています。

最終章、ラストページの「命は単なる手段である」

(=いかに使うかにこそ価値がある)この言葉は噛みしめ

たいと思います。

それにしてもこの平成の世に、孤独に「堕落」に抗しておら

れるのが他ならぬ天皇陛下だという思いも強くなりました。

57歳・男)

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ずっと昔から『こころ』の解読が、みんな間違っていると

思っていて、やっと描くチャンスが来たわけだ。

それを分かってくれる読者がいた。

長年、いつかいつかと思いながら温めてきた読み解きが、

あのたった一章に収納されてしまったわけで、その重要度

を分かってくれる読者がいた。

こういう時にはトカトントンが止まってしまう充足がある。

まだまだ捨てたもんじゃないとも思えるのだが。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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